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『桜の森の満開の下』

先日、高田馬場after party にて
舞踏家の園田郁実さんと演じました『桜の森の満開の下』
でのワンシーンでございます(^^)

桜の森の満開の下50%


娘の首のために、一人の若い貴公子の首が必要でした。
貴公子の首も念入りにお化粧され、二人の若者の首は
燃え狂うような恋の遊びにふけります。

すねたり、怒ったり、憎んだり、嘘をついたり、
だましたり、悲しい顔をしてみせたり、

けれども二人の情熱が一度に燃えあがるときは
一人の火がめいめい他の一人を焼きこがして
どっちも焼かれて舞いあがる火焔になって燃えまじりました。

けれども間もなく悪侍だの色好みの大人だの悪僧だの汚い首が邪魔にでて、
貴公子の首は蹴られて打たれたあげくに殺されて、
右から左から前から後から汚い首がゴチャゴチャ娘に挑みかかって、
娘の首には汚い首の腐った肉がへばりつき、
牙のような歯に食いつかれ、鼻の先が欠けたり、
毛がむしられたりします。

すると女は娘の首を針でつついて穴をあけ、
小刀で切ったり、えぐったり、
誰の首よりも汚らしい目も当てられない首にして投げだすのでした。

坂口安吾著『桜の森の満開の下』よりー首遊びー


(所感)

東京大空襲の直後
上野公園に大量の遺体が山のように積み上げられていた、その時
折しも桜は満開の季節で
遺体の山を覆うように満開の桜が咲きほこり
その静寂の中から、坂口安吾はこの作品の着想を得たようです

『桜の森の満開の下』は間違いなく美しい傑作です
しかし、作品の背景には戦時下の日本の姿が潜んでいます
戦争のような「災い」すら美しさへと昇華させてしまう
作家の業、

江戸川乱歩の『芋虫』しかり
戦地から戻ってきた夫は両の手足を切断され
顔も醜く歪み、まるで芋虫のような体
「いっそ死んでくれていれば、、、」

その夫婦の愛憎を描いた『芋虫』もまた
戦争から産まれた傑作です

「戦争」すらも貪欲に貪食し
美しい作品を書き上げてしまう作家たち

それを思うと「芸術」というものが根本として信じ難いものにも
思えてくるのです
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プロフィール

筑前琵琶ふう

Author:筑前琵琶ふう
ふぅ
琵琶奏者/緊縛師
歌舞伎町「密蜜-mitsu-」水木日担当
http://bar-mitsu.com
演奏・緊縛等の依頼は
minamotm@gmail.com

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